HSPって何?
誰でも思春期の頃はとても多感な時期を経験するが、大人になっても内気で恥ずかしがり屋で敏感で傷つきやすくて、そのことで生きづらさを感じているとしたら、あなたがHSPだからかもしれない。
HSPー。Highly sensitive personの略で、日本語に直せば、 「敏感すぎる人」です。
HSPは、アメリカの心理学者、エレイン・N・アーロン博士が1996年に自著の『The Highly Sensitive Person』(邦題『ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。』講談社刊)の中で提唱した概念です。
出典 長沼睦雄(2018)『大人になっても敏感で傷つきやすいあなたへの19の処方箋』
HSPは病気でも障害でもない
アーロン博士によると、HSP は どの 社会 にも 人口 の 20 % の 割合 で いる こと。
つまり 5 人 に 1 人 の 割合 で存在し、
そしてなんと人に限らず、霊長類、犬や猫、鳥 さらに、魚やコバエなど
100種類以上の動物にも一定の割合で見られる気質ということ。
5人に1人いるとても敏感で繊細な気質
5人に1人と聞けば、意外と多いと感じる?
学校の教室の中で言えば、40人いる生徒の内8人ぐらいがHSPということになる。
しかし、その他の30人ちかくは非HSPということになり、やはり自分のような人達は少なく感じるかもしれない。
とはいえ、周りをよく観察してみると、とてもシャイで控えめだけど、誠実で優しいあの子や、引っ込み思案で気を使ってばかりいるあの人も、実は自分と同じタイプかも?とだんだん見えてくるかもしれない。
私も自分がHSPと自覚するようになってから、周りの人たちをよく観察するようになった。
世の中には色んな個性の人がいて。
明るくて自信たっぷりで多くの人と交友する社交的な人もいれば、
とても落ち着いていて誰に対しても柔和に接するけど、進んでは社交しない人。
笑顔で挨拶をきちんとするけれども、とても大人しくあまり誰とも話さない人。
いつも身なりが小綺麗できちんとしているけれど、挨拶すら避けてなるべく目も合わせないような人。。
人それぞれ育った環境も違い、それぞれに価値観もコミュニケーションの方法も違うものだけど、でもそんな様々な人たちをHSPと非HSPという大きな括りに分けてみるのは意外と簡単かも。
HSPは少数派
そうやって確実に存在するのに、少数派ゆえに肩身のせまいHSP。
非HSPからすれば、人を避けるようにひっそり生きるHSPは理解しにくいらしい。
「なぜ?」
「友達いないの?」とか、
「休みの日は何してるの?」
「何が楽しいの?」
と好奇の目で見られたりする
ひどい場合は「ぼっち」だとか変な人と噂されてしまうことまであるかも。
5人に1人といえど、やはり少数派には違いないので、大半の人がHSPの感覚がまるで理解できないということになる。
無理もない。
自分はその他大勢と違う感覚を持っているかもしれない。。
と何となく気付いてきてはいても、少数派ゆえに自分が変なのだ、病気なのかも?・・と自身を否定してしまうHSPも多いだろう。
しかし、それは間違いだ。
社交的な人が社交的にしか振る舞えないように、内向的な人は内向的にしか振る舞えない。
これは生涯変わることはない。(たとえHSPが、必要最低限のコミュニケーション能力やマナーを身につけた大人に成長していても)
それはA型の血液型の人が一生A型であるように、B型はB型であるように努力で変われるものではなく。
生まれ持ったHSP気質も同様に。
HSPは病気でも障害でもない
あなたが弱いせいでも、甘えているわけでも根性が足りないわけでもない。
自分を責める必要は一切ない。
HSP気質に生まれたあなたは、何も間違っていない。
生きづらいことは多いが、そのままの自分でいいのだということをまず知ることで、少しは楽になれるのではないだろうか。