働くHSPの困難
HSPの人にとって、自分の適職が何かを見つけ、実際に働き続けることは大変ハードルが高いことのように感じられるかもしれません。
社会に出て働くこと自体がHSPにとっては、さまざまな困難を伴い、苦痛や脅威にまで感じられるからです。
周りの雑音だけでなく、職場の人たちの機嫌や感情までも敏感に感じ取っては自分の中に取り込んでしまう。一度感知してしまうと、その情報の方に気がとられて目の前の仕事に集中できなくなってしまう・・
周りのことが気になって、集中力や正確性や効率も落ちてしまうのです。
上司に一言注意されただけで、一日中気に病んでしまったり。
さっきの自分の言い方が相手に失礼ではなかったか?と気になって仕方なくなり。
同僚の冗談にもいちいち傷ついて落ち込んだり。
自分のミスに素早く気づいたものの、その時点でかるくパニックになり、さらなるミスを重ねてしまったり。
お客さんにクレームを言われ怒鳴られでもしたら、ふらふらと立っていられないほどに衝撃をうけてしまう。。
数日たっても怒った相手の顔がフラッシュバックしては辛かったり。
HSPの一日はこんな事の繰り返しで、仕事を終える頃には、頭はパンク寸前、心の中も入り乱れてボロボロになり、意気消沈してしまいます。
騒々しい社内で、周囲と適切にコミュニケーションをとりながら、かかってきた電話に応対しながら、上司に監視されるピリピリした空気の中、次々と業務をこなしていく。
それを当たり前のように平気でやっている周りの人たちと、なかなかスムーズにできない自分を比べては自信を失い、 せっかく採用されて働き始めても、だんだん仕事に行くのが辛くなってきます。
明日会社に行くことを考えると苦痛で仕方なくなってくる。
そして転職ばかりを繰り返してしまうというHSPも多いことでしょう。
無理もありません。
鈍感な世界で生きる人たちとは全く次元の違う感覚を持ったまま、HSPは同じ空間で仕事をしなければなりません。
他の人が普通にできることがHSPには困難であるということは、脳の特性上仕方のない事なのです。
そして、その職種がそもそもHSPには向いていないのかもしれないし、その職場の環境が向いていないのかもしれないし、その両方ということも考えられます。
職業を選択する際には、HSPは特に慎重に自分の適性を考慮し探すことが重要になります。
HSPに向いていない職種
HSPには、周りと競争し数字や利益や効率が常に求められ、時には罵倒されることもあるような体育会系の雰囲気の職場や、営業職、多くの人と関わりながらコミュニケーションを必要とする接客業などは向いていないようです。
コミュニケーションができないわけではないのですが、人と接するには相手に気を使いすぎてしまい、相手を傷つけていないか?失礼はなかったか?といちいち気になり、また自分も敏感に反応しては、いちいち傷ついてしまうので仕事になりません。
本人も精神的にもちません。
HSPの適職とは?
仕事というと、どうしてもオフィスや営業やサービス業ばかりをイメージしてしまうものですが、職業は他にもさまざまなものがあるものです。
HSPが社会で働くには自分に向いている職種を選ぶ、適した職場環境を選ぶという点で、非HSPがそうする以上にしっかりと選択しなければなりません。
どんな仕事でも、闇雲に飛び込んで必死に喰らいつけば、いつかは慣れてできるようになるだろう、、というのはHSPに限っては当てはまるものではないのかもしれません。