HSPは境界線が薄い
HSPは高度で精密な中枢神経系を生まれ持ち、またミラーニューロンの働きが活発なため、共感力や同調性を日常的に発揮している。
HSPの共感力は人を思いやる素晴らしい側面だけど、裏を返せば自他の境界線がとても薄く、本人は苦労を抱える部分だ。
私はHSPという言葉と出会うずっと前から、人と接する時の私には自分と他人を隔てる境界線や、自分を守る殻のようなものがまるでないと感じてた。
人と話すと、周囲の景色や音などの情報が押し寄せてくる中、
相手の表情から声の調子から読み取れる感情も押し寄せてくるわ、
で相手の話の内容について自分がどう思い何を発言したいのかまでは処理が追い付かない感じになる
その場ではよく分からない会話をして終わることがよくある。
同じ会話でも電話だとまた少し違って、今度は情報量が少ないので、相手の話の内容はよく理解できるんだけど、今度は相手の話に共感しすぎてしまうという難点がある
難点になるのかな?共感して話聞けてるならそれでいいとも思う。
こんな風なので、人と対面して話すと、よくとんちんかんなことを言ってしまったり、逆に言うべきことを言わなかったりで、相手と別れてから猛反省と自己嫌悪が日常茶飯事で・・。
長年、そんな自分は自我が脆くてダメな人間だと自己否定し自分に自信が持てずにいた。
しかしHSPの自覚を持ってからは、少しずつだけど、脳の特徴によって苦手なことがあり、またできることもあり、工夫すればカバーしていける部分があることにも気付いてきた。
HSPとして生きる上での工夫や心構えのようなものも大事だから。
今回は自分をどう受け入れていくか・・どのように自分自身への理解を深めていくかを考察してみたい。
HSPが人間関係を上手く割り切る3つの方法
誰にでも得意な事と苦手な事はある。
しかし、HSPが苦手な事というのが、その他大勢の人が普通にできている事であるため、根本的な事ができない自分に強烈なコンプレックスを持ってしまうのだろう。
でも、それがHSPの脳の特性によるものだと分かれば、むやみに自己否定しなくて済むだろうし、また工夫すればできる部分があり、できることに目を向けられるようになる。
まずはじめに、対人関係でHSPは、自分を見失いがちで他人と重なり合ってしまうような感覚になる。だから四六時中他人と一緒にいると自分を完全になくしたような感じで過ごすことになってしまう
この対処は、一人の時間を持ち自分の気持ちを知る工夫を意識的にやることで、自分の輪郭や自尊心が回復してくるようになる。
①自分の気持ちを知るための工夫
モヤモヤした時や何かひっかかることがある時はそのままにせず、一人になれる場所を確保して紙やノートに今の自分の気持ちを書き出す。
納得するまで誰に遠慮することなく、ありのまま自分の思いを書き出してやる。
モヤモヤしてなくても、毎日の終わりに日記のようにその日一日を振り返って書いてみると良いかも。
②メールやLINEなどのコミュニケーションツールを使う
人と会って話すことに苦手意識があり、人と接すると自分がいちいち敏感に反応してしまうことに負担を感じるHSPは、直接話すだけでなく電話をすることもためらいがち。
そんな時はメールやLINEなどを使えば、人と連絡をとることのハードルがぐんと下がる。
また文字や文章であれば用件だけを伝えられて端的に済みます。
メールやLINEを積極的に使おう。
③人といる時は自分を見失いがちだが、それでいいと割り切る
人といて気遣いばかりして疲れてしまったり、同調しすぎたり、逆に反応を鈍くすることでしかその場をやり過ごせないでいる自分であっても、受け身で気が利かない自分であっても、それでいいとまずは割り切る。
HSPの自身への理解
HSPの人は人間関係においてできないことを自己否定したり情けない気持ちになっていない?
そんな風に思う必要はないよ。
皆と同じようにできず違和感や生きづらさがあっても、人間関係につまづいてしまっても、それでいいのだと割り切るこだ。
周りの人たちはそれでも自分を嫌わず仲間に入れてくれているよね?
あなたは嫌われるどころか皆あなたが好きなのだと思う。
それでも、理由なく私なんてだめ、嫌われているという気持ちが出てきてしまうのなら、こう考えよう。
それでも付き合ってくれている周りの人たちの優しさなのだと。
私なんかと付き合ってくれてありがとう・・と優しい皆に感謝してその人間関係を築いていけるならそれでいいから。
自分はこれでいいのだとまず割り切ること。
もちろん自分を攻撃してくるような相手や明らかに嫌な感じのする相手とは、当然距離を置いて構わないし、そうするべきなんだけど。
でも、そうではない穏やかな人間関係さえも、気まずさや違和感から避けがちになってしまうのがHSPだと思うので。
避けてしまいたくなる気持ちはもちろんわかる。
気まずさやマイナス思考や敏感になりすぎて何でもかんでも被害的な気持ちになることもよくあるよね。HSPだから。
それって相手が問題ではないことの方が多いから。
人との付き合いの中で経験するちょっとしたトラブルや衝突、相手の不機嫌や拒否に触れる不安。
自分など好かれていないという自己嫌悪も含め。
誰もが人間関係で経験するささいなことが、HSPにとっては胸に刺さりショックを受けてしまうんだけど。
それでも今も変わらず自分のことを誘ってくれたり付き合ってくれる周りの人がいるなら、その関係を大切にしてやっていけばいい。
それでいいのだ。(天才バカボンのパパ風に)
何も間違っていないよ。
それでいいのだ。(再びバカボンのパパ)
それはその人たちへの感謝でもあるし、自分が相手に対してとってきたこれまでの態度や対応が間違っていなかったという証拠でもあるのだから。
あなたはそれでいいのだ。
周りの人たちは、あなたはこれ以上親密にはなってくれないことを十分理解しながらも、一定の距離を保つあなただけど、心優しいあなたのことを好きなのだと思う。
たとえ、親密な関係へと発展していかなくても・・。
そしてそのことをHSP自身も恥じる必要も、卑下する必要も、悲しむ必要もない。
もちろんHSPは他の人のように多くを望んではいけないと言っているわけではない。
人間関係を楽しみ、仲良く親密になり、言いたいことを言い合い、行動を共にし長い時間を共有する。
それはHSPには少し難しいかもしれない。
非HSPの鈍感な世界だからこそ成り立つ関係なのかもしれない。
HSPがそれを望み実際にやろうとすると、距離感もうまくつかめずヘトヘトに疲れてしまい、やはり無理だと気づくのにそれほど時間はかからないだろう。
大人になるにつれて年齢を重ねるにつれてなぜかトラウマだらけのHSPだから。
人間関係にも臆病になっていくわけなので。
それは繊細で敏感な脳を生まれ持つHSPには仕方ないと割り切る必要もある。
少し寂しいながらも人と適切な距離を保つことを自ら選択していると、HSP自身もわかっている。
HSPとして生きていくことはその自己理解と覚悟なのだと思う。