HSPの境界線の薄さ
前回の記事『共感力が高いHSP』とも関係してくる話でもあり、何よりHSPの弱点ともいえる境界線の薄さについて。
HSPは生まれ持った脳の特性により、周りの物事や他人の感情を深く敏感に読み取り、そしてまた、神経細胞の働きが活発なことから共感しやすい人たちです。
感情豊かで共感力が高いことは、HSPの素晴らしい長所なのですが、その長所は場合によっては注意が必要な弱点にもなりうるのです。
脳の特徴からくる『読み取った相手の感情に同調しやすい』という性質は、そのまま『自他の境界線の薄さ』にもつながります。
境界線とは
他者との境界線(たしゃとのきょうかいせん)、バウンダリーとは、自分に対して行動をとってくる他人に対して、合理的・安全・許容可能な手法であるかを判別するために個人が作成する、ガイドライン、ルール、制約である
英語で「バウンダリー/Boundary=境界」を意味します。心理学では「自分と他人との境界線を引く力」という考えを意味します。
HSPの気質は生まれながらに境界線が薄くもろく、境界線を育てにくいと言えるのかもしれません。
HSPは境界侵入されやすい
このことにより注意が必要になってくるのが、他人から境界線を侵されてしまいやすいということです。
これはもうあいまいな言い方はしません。
HSPの方のために、あえてハッキリ申し上げますと、
『HSPは他人から境界線を侵されやすい性質を持っている』ということです。
※だからと言って侵入されやすいHSPが悪いという話ではないです。
自覚して自分を守るために必ず心に留めておいてほしいということです。
境界線が薄い原因もHSPのせいではありません。さらに言えば、侵入する側にも何ら悪気がなくてもです。
生まれ持った脳の特性を活かすため、またそのことで裏目にでてしまう部分を、知恵や知識で補うことは必要です。
境界線が薄いと、どんな事が起こりやすいかと言うと
他人に境界を侵入されやすく、
自分の気持ちがわからなくなっていたり
他人を優先しすぎてしまい、他人に振り回されてしまったり
他人の問題を背負い込んでしまったり
自分とは関係のない相手のことまで自分のせいだと思ってしまったり
といったことが起こりがちになります。
具体的には、親子間や夫婦間でありがちな、イライラしているお父さんが「お前たちがイライラさせるから」とか、ひどい場合は暴力をふるっておいて「お前が怒らせるようなことをするから」と言われてしまう。
完全に責任転嫁にです。
相手の行動の責任は相手にあります。
大人が自分の意思でしたことは自分の責任なのです。
しかし元来、気持ちが優しく、また自分に自信をもてず内省ばかりしているHSPがこんな輩にひどいことをされたり、こんなふうに言われると「そうか、私が悪いのか」
HSCなら、「そうか私が怒られるようなダメな子なのか・・」となってしまうわけです。
非HSPでもそう思ってしまう可能性があります。
大切なあなたの心の境界、身体の境界を守る術をぜひ身に着けてほしいと思います!
こういった関係が固定され続けていくとそれは、共依存関係と呼ばれます。
境界線の引きかた、共依存関係についてはまた次回。。