HSPは日々生きづらい
HSPの生得的な特徴というのはもともと、
素晴らしい特質であり、生き残りの戦略であり、変える必要のないものだ。
でも、近年の競争社会ではとても生きづらい特性でもある。
HSPが生まれ持った気質とは、落ち込みやすかったり、
気にしやすかったり、疲れやすかったり、人よりもストレスを受けやすく、
悩み始めると夜は眠れず、気分的に抑うつになりやすく、考えすぎたり、
傷つきやすかったり、マイナス思考になりやすかったり、、などなど。
生まれ持ったものなのに、少数派ゆえ他人からは理解しづらく
「神経質だね」「気にしすぎ」と一笑されてしまう。
HSPの人たちはそんな自分をだめな性格だ・・と自己嫌悪に陥るばかりだ。
でも、そんな自分というのは子どもの頃からずっとそうだったよね?
生まれたときからなのだから。
そしてこれからもこの気質はほとんど変わらない。
そんな気質を生得的に持っているのだから、
仕事を持つHSPも、休職中のHSPも、学生のHSPも、
子育て中のHSPも、愛着障害をもつHSPももたないHSPも。
結局、みんな大変な思いをして暮らしているのだと思う。
HSPの人たちは日常的にストレスを多く抱え、生きづらさに悩みながら日々暮らしている。
専門家と一緒に解決する
どうにも苦しくて仕方ないという状況でなくても
ガス抜きというか気持ちや思考を整理したいという理由で、
定期的に専門家にカウンセリングを受けにいくこと。
これはHSPには必要なのかもしれない。
HSPは病気ではなく気質なので。
完治や終了などなく、ずっと付き合っていかなくてはいけない特性だから。
その際カウンセラーに最初に敏感であることを伝えたうえで聞いてもらう方がよいかも。
専門家に相談することは、認知の歪みや自分の思考パターンを変えていけるきっかけになるし、問題解決の近道になる。
しかし、海外と違って日本ではカウンセリングは保険適用外なので高額だ。
人によっては、とても通えないという事情もあるかと思う。
そんな時は自分でもできることがあるので、以下の2つをぜひ参考にしてみてほしい。
それはマインドフルネスとアファメーションだ。
①マインドフルネス
昨今では、スティーブ・ジョブズ氏やGoogle、Facebook、Yahoo!といった有名企業も社員の研修として取り入れているマインドフルネス。
マインドフルネス=瞑想と聞いても、もはや怪しいエセ科学や宗教的なイメージとして誤解されることもなくなってきた。
そして様々な効果が科学的にも実証されている。
マインドフルネスとは
私たちは、今この瞬間を生きているようでいて、実は過去や未来のことを考えて、「心ここにあらず」の状態が多くの時間を占めています。
特に、過去の失敗や未来の不安といったネガティブなことほど、考えを占める時間が長くなりがちです。
つまり、自分で不安やストレスを増幅させてしまっているのです。こうした心ここにあらずの状態から抜けだし、心を"今"に向けた状態を「マインドフルネス」といいます。
参照 NHK(2018)『マインドフルネス」とは?めい想の方法・効果と「呼吸のめい想」のやり方』〈https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_699.html〉2020年6月18日アクセス
心を"今"に向けたマインドフルネスの状態に到達する手段として、めい想が行われます。
マインドフルネスめい想は、脳を活性化させ、ストレスをたまりにくくしたり、仕事のパフォーマンスを上げる効果があり、医学やビジネスの世界で大きな注目を集めています。IT企業を中心に、マインドフルネスめい想を社員研修に取り入れる会社も増えています。
参照 NHK(2018)『マインドフルネス」とは?めい想の方法・効果と「呼吸のめい想」のやり方』〈https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_699.html〉2020年6月18日アクセス
マインドフルネスをやり始めると寝つきが良くなったり、感情や思考のコントロールができるようになったり、あらゆる状況を以前よりうまくこなせるようになっている自分を実感できると思う。
HSPが思考の沼にはまりこんで動けなくなっている時や抑うつな気分でどうしようもなくなった時、神経の高ぶりで眠れなくなってしまった時など。
マインドフルネスをやり始めることで抜け出せるきっかけになる。
行動することで現実を変えることももちろん大事だけど、あまりに心が苦しい時に無理やり体を動かそうとすることって難しいうえに逆効果になることもあるから。
そんな時マインドフルネスや次に説明するアファメーションなどで脳に働きかけることで気持ちがあがってくるきっかけになり、結果、簡単に行動できるようになることもある。
②アファメーション
こちらはまだまだ引き寄せやスピリチュアル関連や催眠といったイメージが強いかもしれない
でも決してそんなことはない。
私がアファメーションという言葉を最初に知ったのは心理学の方面からだ。
自分の生きづらさはACによるものかと悩んでいた当時お世話になった臨床心理士さんに勧められた本がきっかけ。
アファメーションとは、自分を肯定する言葉です。
自分を大切にする言葉です。
自分を愛する言葉です。
自分を心からサポートする言葉です。
自分の人間性を前向きに受けとめ、新しいことを学び、よりよい人間へと成長するよう勇気づける言葉です。
参照 西尾和美(1996)『今日一日のアファメーション』Iff出版部ヘルスワーク協会.
マインドフルネスとアファメーションの実際のやりかたについてはまた次回。